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2022.08.23

導光板を使って設計する際の仕様検討のポイント

こんにちは、JR秋葉原駅中央改札口から徒歩2分に本社のある、株式会社トライテラス販促担当です。

トライテラスのメイン製品でもある導光板(読み方は「どうこうばん)。
導光板は、建築やサインに限らず様々な産業で使用されています。用途によって製品の特性から設計上の注意点が異なります。
今回は、建築照明やサインに導光板をご検討されている設計者の方々に対して、導光板の仕様検討に当たっての手順とポイントを解説します。

導光板の仕様検討の手順をステップごとに解説します。

■1.設置環境の確認



設置環境の確認事項としては、大きく2点あります。

設置場所の確認「屋内 / 屋外」

「屋内/屋外」の設置場所により、「防塵・防滴性能の要求」の有無が決まります。

一般的に導光板に組付けられるLED基板は、半田連結部など導電部が露出した製品が多く、水滴やホコリ、砂塵が触れると短絡(ショート)し故障や事故の原因となります。
そのため、
屋外サイン等、風雨を受ける場所で使用する場合はLED基板(LEDモジュール)を防滴加工品とする必要があります。

設置用途の確認「照明 / 装飾」

「照明 /装飾」用途により、「アクリル板の表面強化処理の必要性」の有無が決まります。

導光板に使用されるアクリル板は、加工性に優れる反面、表面にキズがつきやすい特性があります。
導光板の前面に拡散板(乳半板等)を置く「内照用」として使用する場合は特に考慮する必要はありません。
しかし、導光板自体を露出(見せる)して装飾用途等で使用する場合は、キズやホコリによる輝点が目立つため、取り扱いには細心の注意が必要です。

照明用途装飾用途.jpg



■2.基本仕様の検討


導光板の形状を決める

導光板の形状は、LEDの光を効率的に利用できるよう「四角形」が主流です。導光板をご依頼いただく場合は、高さと幅の「外形寸法」をご指定頂きます。

入光image.jpg



また、デザインに応じて曲線形状、多角形など異形形状の製作も可能です。
曲線形状に対応するLED基板は種類が限られるため、事前に確認が必要です。

導光板と組み合わせるLEDを決める


導光板は、組み付けるLED基板を選定することで、さまざまな発光色を表現できます。


昨今では、建築空間のデザインを統一させるため、建築照明やサインで使用する導光板に対して、建築照明の色温度と同一のものを指定されることが増えています。

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また、店舗サインやアミューズメント施設などではRGBフルカラー制御により、多彩で視認性の高い光を求められることも増えています。

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■3.導光板の詳細仕様の検討


導光板の詳細仕様


導光板をサイン光源(バックライト)として使用する場合、一般的には四方をLアングルや角材を用いて押縁方式で固定しています。
※この場合、配線抜きとして枠に穴あけが必要です。

また、天吊りサインや突出しサインで使用する場合は、導光板に穴あけ加工を施し、ボルトで筐体に固定することが可能です。
光源付近に穴あけをする場合、影が生じます。穴周囲は光を強く反射した輝度の高い光が生じます。周囲が暗い場合、これらは拡散板越しでも目視できる可能性があるため、事前に確認が必要です。

外形寸法は、取付け筐体の設計をしていただき、有効開口寸法をもとにサイズを確定します。
この際、熱膨張による影響を考慮して、導光板1mあたり2mm程度のクリアランスを確保した寸法とする必要があるため、注意が必要です。

影image.jpg



配線の詳細仕様

導光板の配線長は、直流電源装置の設置場所を踏まえて決定します。


建築やサインで使用される導光板は、DC12~24Vで駆動する製品が主流です。そのため、建築側から供給される100V(又は200V)の電圧を変換する「直流電源装置」が必要です。
必要以上に配線長を長くしてしまうと「電圧降下」が生じ、導光板の定格電圧を満たせずに、微弱点灯又は不点灯等の不具合が生じる恐れがあります。
そのため配線長は、導光板の大きさ(消費電力)にもよりますが、5m前後を最大長とすることを推奨します。
もしくは、「電線の太さ」を0.5spなど太くすると電圧降下の影響を低減させることが出来ます。

導光板の配線は、LEDモジュール1本につき1組(+、-)が出ます。
大きなサイズの導光板の場合、向かい合う2辺にLEDモジュールを取付けるため2本の配線が生じます。
2本の配線は、同一の直流電源装置と繋げる必要があるため、配線経路の確保が必要になります。
導光板は薄型で省スペース化が図れるという特徴から、設置スペースはゆとりある作業スペースが確保できることは稀で、配線作業を考慮して導光板の配線取り出し方向を指定する必要があります。


一般的に、導光板の長手辺に取付けるLEDモジュールの左右どちらかを選択します。

配線スペースを確保できない設置場所の場合、配線を無理に根本から曲げたり、配線を噛んでしまう恐れがあります。
そのため作業性を考慮した配線の出し方向を決定しなければなりません。
導光板の配線出し方向の指定は、施工性に大きく影響するため確認が必要です。

■4.周辺部材の検討



導光板仕様が決定したら、適合する「直流電源装置」を選定します。

選定の基準としては、「定格消費電力」「機器サイズ」「防滴防塵性能」「制御機器」が挙げられます。

定格消費電力

導光板の消費電力を踏まえた選定基準です。
選定に当たっては、導光板の消費電力が直流電源装置の定格消費電力80%以内に収まる機器を選定することが一般的です。
これは直流電源装置に過負荷が掛からないようするためで、製品寿命にも影響します。

機器サイズ

直流電源装置の設置スペースを考慮して選定します。
形状は概ね直方体が多く、定格消費電力に比例してサイズが大きくなります。
案件によってはサイン筐体内部に設置することも可能ですが、この場合は放熱を考慮した筐体設計とする必要があります。

防滴防塵性能

直流電源装置の設置場所を考慮して選定します。
直流電源装置は工事完了後に触れることは稀です。
そのためホコリや結露が掛かる可能性がある場合は、IP66~IP67程度の性能を持った機器を選定する必要があります。
価格にも影響しますが、後々の不具合の可能性を減らすためには必要な機能と言えます。

また、直流電源装置は、PSE(特定電気用品安全法)の対象製品です。必ず適合マークのある製品を選定してください。

制御機器

導光板の発光内容に応じて、適宜LED制御機器を選定します。
制御機器の用途は下記2種類に大別されます。

【RGBコントローラー】
RGBフルカラー点灯が可能なLEDモジュールと組み合わせて使用します。自由なカラー点灯や空間を演出するレインボーカラーなど、クライアント様の要望に合わせた、さまざまな演出が可能です。

RGBコントローラー一括スライド.gif



【調光器】
一般照明と同様に導光板の明るさを調整するために使用します。組み合わせによっては、市販の壁付け調光器の使用も可能ですが、省スペース化を図る目的であれば、弊社の「オリジナル制御機器シリーズ」を推奨します。

調光器スタンダード.gif



■納期のこと


導光板メーカーは、導光板に対する二次加工(穴あけ、曲線カット、小口の研磨処理等)や、配線部材に関する指定、付属の部材(拡散板やシート貼り等)の対応を行っています。
メーカーによって対応範囲(又は可否)は異なるため、事前に確認をしてください。

建築照明・サイン向けの導光板は、案件ごとに受注生産としているメーカーが多いです。そのため納期は概ね1~2週間程度見ておく必要があります。
特に二次加工をはじめ協議が必要な仕様の場合や繁忙期となる年末や年度末は状況により納期調整が出来ないケースが想定されるため、しっかりとしたスケジュール管理の下で発注する必要があります。

いかがでしたでしょうか?今回は、建築照明やサイン光源として導光板を採用する際の検討ポイントを順番に解説しました。メーカーにより対応範囲が異なるため、後々のトラブル回避をするためにも事前に確認が必要です。

株式会社トライテラスでは、建築やサイン、ディスプレイで使用できる照明、導光板やLEDの製造を行っております。


導光板を使ってみたいが、仕様検討が難しい場合は、是非弊社にお気軽にご相談ください。
蓄積したノウハウをもとに、ご希望のイメージ、デザインを再現するためのサポートを行っております。



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